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  • 営業として森永製菓を担当するのは6年目。多くの商品に携わってきた営業チームのリーダー的存在。
  • 同社の担当は3年目。パキシエルの広告では『コジコジ』とのコラボを提案し、企画を実現に導く。
  • 同社の担当としては1年目。板チョコアイスの広告では『進撃の巨人』とのコラボを展開する。
濱田:広告業界では漫画やアニメ、ゲームといったキャラクターの版権を、知的財産を意味するIntellectual Propertyの頭文字を取って「IP」と呼んでいます。森永製菓さまではタレントを起用した広告に加え、IPを起用したコラボ広告も数多く展開しており、私たちも企画提案や版権元様との調整など、営業メンバーとして多くの案件推進に携わっています。

山口:例えばパキシエルというアイスでは、2024年の春にテレビアニメ『コジコジ』とのコラボレーションを実施しました。森永製菓様とはIP起用以外の企画も含めて、議論を重ねましたが、主な購買層である大人女性からの人気が高く、「前向きになれるアイス」という商品のテーマがコジコジのキャラクターイメージとマッチすることが決め手となり採用が決定。限定パッケージやウェブ動画、プレゼントキャンペーンといった施策を展開しました。

柴:タレントの起用にも共通して言えることですが、コラボの目的は売り上げの増加や新たなお客様に知っていただくことなので、ブランドのコンセプトやターゲットとする層との親和性など、さまざまな条件を考慮した上で企画に落とし込んでいく必要があります。一方でキャラクターのファンにとっては、作品の延長としてコラボをお楽しみいただくことになるので、商品側の視点だけでなく、作品の世界観や魅力をしっかり理解した展開でないと効果的な広告にはならないんです。

濱田:消費者からすると、買ったことのない商品を購入するのはすごくハードルが高い行為ですし、これだけ世の中に大量の情報やコンテンツがあると、どうしても商品が埋もれてしまうこともあります。キャラクターを通じて商品の魅力を伝えるIPコラボは、気分を楽しくしてくれるお菓子やアイスとの相性も良く、購入への高いハードルを超えるパワーを持っています。だからと言って、ただ単に「人気がある作品だから」というだけでは、あまりいい結果は得られません。IPを起用するからには、商品と作品をうまく結びつける企画力と作品選定が重要だと考えています。
濱田:商品の良さを伝えるうえでIP起用はとても強力ですが、キャラクターに頼りきりにならないような工夫も心がけています。

柴:板チョコアイス夏限定という商品では『進撃の巨人』とコラボし、作中のシーンをオマージュしたウェブCMを制作しました。夏でも食べやすい、さっぱりした後味をパロディで表現。あえてキャラは出さず、登場人物を商品パッケージに置き換え、本家の声優さんにセリフを吹き込んでいただいたのですが、作品のファンの人たちにも面白いと言ってもらえました。あれだけの人気作となると、ありきたりな内容では喜んでもらえないと考えていたので、本当に嬉しかったです。

山口:人気作品であるほどコラボ事例が多いので、どうすればオリジナリティのある企画にできるか重視しています。色々な制約をクリアするのは大変ですが、企画ローンチ後にSNSでファンの方から好意的な反響が集まるとやっぱりうれしいですね。出演していただいた声優さんやタレントさんがSNSで積極的に商品について発信してくださることもあり、やっぱり皆さんの反応が仕事のやりがいになっています。

濱田:提案から企画実現までIPは半年から1年かかる案件も多いんです。そのため提案時には人気の作品でも、ローンチ時には旬を過ぎてしてしまう可能性もあるので、タイミングを掴むのも重要になってきます。テレビアニメ化や作品が盛り上がるタイミングを意識しながら企画することが多いのですが、もともと漫画が好きなので向いているなと思うことは多いかもしれません。

柴:やっぱり好きなものが多ければ多いほどクライアントに対する提案の幅も広がりますし、常日頃からアンテナを張って広く色んなコンテンツに触れておくのは大切だなと感じます。

山口:私も思い入れがある方が細かい部分までこだわれると思うので、携わる作品をもっと好きになる気持ちでいつも取り組んでいます。あとは自分の好きなものを周囲に公言しておくのも大切ですね。そうすると他の部署の案件でも声を掛けてもらえたり、有識者として意見を求められたりすることもあります(笑)。

柴:自分があまり詳しくないジャンルでも、社内にはそれぞれ得意な分野を持つ人がたくさんいるので、すごく参考になります。最終的に商品を手に取ってくださるのは作品のファンの方が中心になるので、同じファンとしての心理や目線を持っていることは広告の作り手としても大きな武器になると思います。

濱田:そんな風に自分の好きなものを仕事にするチャンスがあるのは広告会社の面白いところですし、そういう熱意のある人にはやりがいのある仕事なんじゃないかなと思います。実は自分も10年以上前から大好きな作品があって、事あるごとに提案に盛り込んで最近ようやくコラボが決まった案件があるんです。

山口:私も何度も提案している「推し」があるので、諦めずにチャレンジし続けたいと思います!