Our Topics高級ブランドも実施するOOHメディア
GINZA SIX開業で、銀座駅もラグジュアリー空間に
2017年4月20日、大規模複合施設GINZA SIX(銀座シックス)がオープンした。商業施設面積は約47,000㎡で東京銀座エリア最大。241もの多彩なブランドが集結し、ワールドクラスクオリティの商業空間を実現している。特に、中央通りに面した全長(間口)約115mには、世界を代表する6つのラグジュアリーブランドが2~5層の大型メゾネット店舗を構えているのが特徴だ。中でも、クリスチャン・ディオールは「ハウス オブ ディオール ギンザ」とする旗艦店が地下1階から4階まであり「世界最大級」とのこと。注目したのは4月17日から2週間、そのOOH広告が東京メトロ銀座駅に出ていたことだ。
B0サイズ4枚と8枚分の大型ボードも実施していたが、存在感を出していたのが4丁目エリアの臨時柱巻広告だ。ユニークな6角形の柱と円形の柱合計20本を連続的にラッピングしての展開は空間ジャックと思えるくらい印象的だ。モノトーン調で様々なポーズをとったモデルの姿が美しく、銀座駅もラグジュアリー空間に見えてしまった。柱は、駅の改札からGINZA SIXに向かう A3出口にかけての動線上にあり、誘導効果もあったに違いない。
GINZA SIXで展開するブランドの世界観をOOHで演出
変わって5月1日からは、同じくGINZA SIXに新旗艦店をオープンしたフェンディが、やはり柱巻き広告を実施していた。背景がクラシカルなフレンチロココ調のイメージで、柱巻広告がエレガントな空間をつくっていた。文字を良く見ると、FENDI GINZAとFENDI MATSUYAとあり、松屋銀座の店舗も同時に訴求していた。
銀座駅のデジタルサイネージも、4月はディオール、5月はフェンディが共に実施していた。ただし、ディオールは柱巻広告と違い、「ディオール アディクト ラッカー スティック」の商品告知であった。
マガジンハウスのファッション情報誌「GINZA(ギンザ)」5月号は、銀座を特集しておりGINZA SIXの記事も詳しく掲載されていたが、その広告も銀座駅のサイネージで実施していた。柱巻広告も4月10日から1週間行っている。「銀座が私を呼んでいる」「GINZA SIXもオープン!」と、女優の宮沢りえさんが写る表紙と同じデザインだ。本誌を見ると、ディオールと宮沢さんがモデルになったコラボ記事が気になったが、表紙の宮沢さんが着ている赤いバイカージャケットは、ディオールのものであり、店舗の立地同様、雑誌の一等地も手に入れるブランドの力を感じた。
そのほか、GINZA SIXに入っているトゥミがトラベル・キャリーケースの広告で駅サイネージを、プラザスタイルが「#0107 PLAZA(オトナプラザ)」の広告を駅の臨時集中貼など、GINZA SIX関連の広告主が続々と実施していた。
このようにOOHメディアは、ハイセンスな雑誌には及ばないが、新店オープンなどのタイミングで高級ブランドの広告にも使われている媒体だ。特に銀座駅の臨時柱巻広告は行動動線に正対して連続的に訴求することが可能で、広告との接触時間も長く訴求効果が高い。
1社限定で他の広告を同時に見ることがないのでブランドの世界観を出しやすいはずだ。参考にしてみてはいかがだろうか。
※このコラムは「宣伝会議」2017年7月号からの転載です。