Our Topics見えないものが見えるOOH広告!?

次世代印刷技術を使い花火大会の風景再現

NTTドコモは9月4日から1週間、東急田園都市線渋谷駅のOOH広告を展開した。高さ約2m、幅約20mにわたる大型ボードの広告は、全面光沢がある黒い色で白い文字が書かれたモノトーン調のデザインだ。両端には「SHIBUYAに花火の新名所!?フラッシュ撮影で花火を打ち上げてシェアしよう#スマホ花火大会」とあった。試しにフラッシュ撮影をすると、驚いたことに色鮮やかな花火が写っていたのである。よく見ると「隅田川花火大会」など全国80カ所以上の花火大会の名称が書いてあり、各地の花火を再現していた。大会名称の上には電波状態良好のアンテナマークが。「つながりたい想いが集中する花火大会でも、ドコモは移動基地局車を出動させて快適なネットワークを実現させています。」というキャッチフレーズも記されてあったが、それを理解させる上手い表現である。
ポスターにはスマホやデジタルカメラでフラッシュ撮影すると、その光に反応し目に見えないビジュアルを表示させる印刷技術「Rainbow Film」を採用したとのこと。まさに虹のように綺麗な色彩を楽しめるものだ。交通広告ではおそらく初めての試みだろう。
現場では、「すごーい!超リアル!」などの歓声が上がっていた。中には、スマホのフラッシュを強制的に使う方法がわからない者もいて教え合う姿が見られた。また、生まれ故郷の花火大会に思いを寄せる人もいた。本物の花火の撮影は難しいイメージだがここでは、自撮りと花火の両方が簡単にきれいに写すことができた。
「#スマホ花火大会」などSNSでの反応を見ると、「ドコモの広告で、すごくすごくきれいでワクワクするものをみてきました!近づいてフラッシュ撮影すると あら不思議?? マジ不思議??」「フラッシュで撮ったら花火写るなんて なんて粋な技術なのでしょうか」「予想を上回る綺麗な発色に驚いて何枚も撮ってしまった」「フラッシュつけて撮影すると花火が見える広告マジですげえ」など多くの人が好意的で、「撮っておき」の感動体験を語っていた。中には1万以上リツイートされ、2万以上「いいね」をされたツイートも見られ情報拡散もしていた。

フラッシュ撮影をすると現れたのはエイリアン

翌週の9月11日からは、東京メトロ新宿駅の大型ボードで、映画「エイリアン:コヴェナント」のプロモーションが行われた。こちらでも印刷技術は違うがフラッシュ撮影をすると見えないものが見える仕掛けを使っていた。新宿の地下通路の壁が壊れ、新たな通路が出現したイメージのグラフィックをフラッシュ撮影すると、見えないはずのエイリアンが出現(白く浮かび上がる)というものだ。どこに潜んでいるかわからず、突如現れ恐怖心をあおるエイリアンのイメージには合致しており上手い使い方だろう。
このように、スマホで撮影しないと見えないOOH広告もアイデア次第では話題喚起・情報拡散を狙った展開として有効だ。参考にしてみてはいかがだろうか。

※このコラムは「宣伝会議」2017年11月号からの転載です。