Our Topics街中に出現した巨大商品が注目を集めるOOHメディア手法
テレビCMと連動した巨大な缶コーヒー
9月12日、新宿駅東口前のイベント広場に、缶コーヒーブランド「ジョージア」のテレビCMに登場する巨大ジョージア缶(高さ約8メートル)が登場した。イベント初日には、イメージキャラクターを務める吉本興業の人気お笑い芸人たちが集まり、CMの世界さながらにジョージア缶に登る様子を実演して注目を集めた。
また、CMのストーリーにあわせて、「微糖派」「エメマン派」「ブラック派」の中から支持する派閥に投票して商品を当てるゲームも行われ、多くの人が参加した。デジタルサイネージで掲示された票数は、5日目の時点ですでに5000票を超え、参加者の多さに驚かされた。
立体物の掲出も可能 銀座ビル壁面の広告展開
一方、26日には銀座のビル壁面に巨大な商品オブジェが出現。これは、ポーラ化粧品が「銀座の街から日本を元気にしたい」という願いを込めたキャンペーンの一環で実施したものだ。ビルから突き出たローションボトルは迫力満点で、数寄屋橋の交差点に立つ通行人の注目を集めていた。下のイベントスペースでは、夏木マリさんと米倉涼子さんの大きなパネルと、デジタルサイネージによるCM放映でオブジェの意味を伝えている。さらに、銀座通りにある店舗でも4メートル近いオブジェが設置された。
このビルでは、以前にもトヨタ自動車「iQ」の車体が壁面に貼り付けられ、傘を持ったパフォーマーが踊るなどの変わったプロモーションが行われている。
条件さえ整えば、立体物を吊るすことも可能で、プランナーにとっては貴重な場所といえるかもしれない。
3520個のLEDライトで注がれる赤ワインを表現
10月10日には同じく銀座のビル壁面に、フジテレビのドラマ『謎解きはディナーのあとで』の広告が掲出された。主演の桜井翔さんが持つボトルから、約21メートル下の北川景子さんの持つグラスへと赤ワインが注がれているように見える仕掛けで、そのワイン部分に赤いLEDライトが使用されていた。LEDの点滅が、上から下へ注がれている様子をうまく表現しているのと同時に、それがタイトル文字にもなっている。特に夜はきれいに浮かび上がり、帰宅途中の人々の注目を集めていた。
このように、商品の巨大なイメージを屋外展示して見せることは、非常に高いアテンション効果を狙えるといえる。また、派手なので話題になりやすく、拡散される可能性も高い。クチコミの時代だからこそあらためて、このようなアナログ的な手法も検討してはいかがだろうか。
※このコラムは「宣伝会議」2011年11月号からの転載です。