Our Topics海外でも日本語コピーで訴求 屋外広告にも三次元化の波

福山雅治と共に世界を旅する広告

ボーナス商戦、クリスマス商戦期を迎えた東京メトロ銀座駅の改札口周辺に、シチズン製の時計を身につけた福山雅治さんのポスターが掲出された。「ニッポンの時計をもっと面白くする」をコンセプトに掲げ、10月からシチズンが行っているプロジェクト「REAL SCALE」の一環。福山雅治さんを起用したポスターを、東京、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、ドバイ、香港の世界6都市で掲出するものだ。
前回好評を得た「福山雅治と24時間」プロジェクトに続いて、今回掲げられたテーマは「世界へ。」。「世界を旅する時計、世界を旅する広告」として、11月末から世界各国の屋外広告ほか、新聞やWEBを含めたメディア展開をしている。
この「世界へ。」というコピーには3つの機能訴求が込められている。ひとつは世界中どこでも、光があれば駆動しつづける「エコ・ドライブ」、次に日本、中国、北米、ヨーロッパの世界4エリアで電波を受信し、時刻を自動補正する「電波時計」、そして世界26都市の時刻を簡単に表示できる機能だ。
クリエイティブ面で目を引くのは「世界へ。」というキャッチフレーズを、海外でもそのまま日本語で表記している点。翻訳を付加しつつ、日本の技術を世界に訴えよう、という意図がこめられたようだ。

3D動画で屋外広告も3次元

NTTドコモ関西支社は12月1日から6日にかけて、大阪の道頓堀・戎橋に来春開業する商業施設「Luz Shinsaibashi(ラズ心斎橋)」の壁面に、大型の3D動画広告を掲出した。クリスマスをイメージした動画で、サンタクロースがそりで夜空を飛ぶようすや、壁面が波打つような映像に多くの通行人が足を止めた。
今回の「大型3D演出動画広告」は、ビル壁面をスクリーンがわりに、歩行者からは立体的に見えるよう近隣のビルから映像を投影する仕組みを採用。欧米では導入事例があるという技術「3D VIDEO MAPPING」を用いた「3D Lighting art billboard」というシステムを国内で初めて用いた例となる。見る人と壁面の位置を計測し、目の錯覚を利用して、立体的に見えるようになるのだという。
広告が掲出されたラズ心斎橋の壁面は、江崎グリコのネオン看板のはす向かいに位置している。
11月にはソニーエリクソンが、リトアニアのビリニュスホールに集まった1万人の観衆の前で、同じ技術を使ったファンタジックな3Dショートムービーを投影した。同社やソニー本体は2010年に開催されるFIFAワールドカップを3D映像化すると発表したこともあり、本格的な3Dエンタテイメントの幕が開けたようである。屋外映像広告も今後2次元にとどまらず、よりリアルな表現を求めて進化していくことだろう。

※このコラムは「宣伝会議」2010年1月号からの転載です。