Our Topics広告での運用は初めて 最新テクノロジー使用のOOH
品川駅構内に 3つの「小部屋」が出現
2012年4月12日から5日間、フジテレビは、新番組「鍵のかかった部屋」のプロモーションをJR品川駅で実施した。イベントスペースには、3つの小部屋が設置された。扉の窓越しに主役の大野智さん、戸田恵梨香さん、佐藤浩市さんの姿が見える。突然、窓が真っ暗になり、右側から番組タイトルと鍵のイラストが現れ横切った。窓自体がデジタルサイネージになっていて、映像を放映していることがわかる。人物像自体は映像ではなく、等身大のパネルのようだ。 これは、ガラスのように透明なディスプレイに文字や映像を映し出すという最新技術を持った「透過型液晶表示装置」である。映像を流さない時は、中のものが透けて見える。おそらく、OOHメディアとして広告運用されたのは初めてだろう。今回は、番組に関係する「密室」をうまく表現していると思う。このユニークなディスプレイには多くの人々が集まり、携帯やスマホによる撮影が行われ、情報の拡散もされた。 「透過型液晶」とは、簡単に言うと、液晶ディスプレイからバックライトを取り除いたものだそうだ。リアルな商品をアナログで見せつつ、デジタルに情報を付加することができ、立体的な演出が可能だ。実際、めざましテレビでの番組紹介では、出演者がこの小部屋に入り、そこから出てくる演出がされていた。 コンセプトモデルであるが、タッチセンサーを付け、自動販売機としての活用やバーチャルブラインドなどとして部屋の窓に使う方法なども発表されている。
ダイバーシティ東京に 巨大サイネージが登場
4月19日、東京・台場に新たな商業施設「ダイバーシティ東京 プラザ」がオープンした。ここにもユニークなデジタルサイネージが登場した。 「アミューズメント・ウォール」とするサイネージは、2台のプロジェクターを使って高さ3m横10mの壁一面に映す巨大なものだ。フードコート内にあり、広告運用もされている。ユニークなのは、その中に液晶のディスプレイも設置され、それと連動している点だ。マルチタッチディスプレイでカメラが付いている。来場者を撮影し、プリクラのような画像にして壁全体に浮遊させたり、携帯電話にそれを送るといったインタラクティブ性が楽しい。若いカップルや小さな子供のいるファミリーに注目を集めていた。元々はソウルの映画館で実用化され、人気があるものだそうだが、今後に注目したい。 このように、従来にないユニークなデジタルサイネージも出てきている。広告活用の選択肢のひとつとして検討してみてはいかがだろうか。
※このコラムは「宣伝会議」2012年5月号からの転載です。