Our Topicsアイデアで”読ませる”広告、続々増える、企業広告のOOH活用

二宮さんとのツーショットで女性が思わず立ち止まる

9月5日、表参道駅の広告ボードに、嵐の二宮和也さんの画像付き「鏡」が多数掲出された。広告主はJCB。鏡に自分の姿を写すとツーショット写真が撮影できる特殊広告だ。時折女性たちが立ち止まり、写真を撮る姿が見られた。広告にはこんなボディコピーが書かれていた。
「ご通行中の皆さま。これは世にもロマンチックな広告です。二宮君の隣に並んでください。ほら鏡の中であなたは二宮君と二人きり。なんてロマンチック!その勢いで、街を賑わす他の広告にも目をとめてみませんか? そしてその商品、ちょっと欲しいかもと思ったら買ってみませんか?使ったお金はお店の人だけでなくいろんな人を笑顔にしていきます。消費とは言うけれど、買い物は消えずに笑顔となって残るのです。あなたの買い物で、日本のどこかで誰かがほほ笑む。なんてロマンチック!」。特殊な手法を取りながらも、「買い物は日本の力になる」という企業メッセージを伝えていた。
同時期の8月下旬~9月中旬にかけて、セレクトショップBEAMSのポスターが都内主要駅構内に掲出された。オーディションで選ばれたカップルたちの写真と、BEAMSのブランドカラーであるオレンジで書かれた「恋をしましょう」のメッセージが印象的だ。本店のある原宿では、駅の他に、店舗壁面、カタログ、ショッピングバッグでもこのコピーが掲出された。
「みなさん恋をしましょう。誰かを好きになりましょう。そして自分を好きになりましょう。みなさん恋をしましょう。それは世界を新しくしますから。知らなかった歌を好きになったりしますから。(中略) さあ、年齢を超えましょう。性別を超えましょう。国籍を超えましょう。経験を超えましょう。みなさん恋をしましょう。地球は愛が救ってくれますから」。企業からのこのメッセージは、今この時代だからこそ恋する気持ちの大切さを訴えている。

デジタルサイネージで企業メッセージを発信

OOHメディアでは従来、長文のメッセージ広告が扱われることは少なかった。一般的に、WEBや新聞の方が特性上合うと思われているからだ。しかし、このように読ませる工夫を凝らすことで、「企業メッセージ」の訴求はOOHメディアでも充分可能なのではないだろうか。
パナソニックは電車内のデジタルサイネージを使い、番組形式で企業メッセージを発信している。『暮らしのエコナビ』というタイトルで、リサイクル技術や節電術などを紹介する番組だ。家電が自動で節電する「エコナビ」搭載商品や、グループの環境活動「エコアイデア」の訴求にもうまくつなげ、企業イメージ向上にOOHを有効利用している。

※このコラムは「宣伝会議」2011年10月号からの転載です。