Our Topics「購買データ」で実現する、確からしいマーケティング」セミナーダイジェストレポート

購買データを活用したリテールメディアサービスが、広告市場で急成長を遂げています。コロナ禍を通じて生活者の価値観や購買プロセスが変化し、実店舗での購買データを活用するリテールメディアの重要性がますます高まっています。
本稿では、弊社向井が2024年2月9日(金)に宣伝会議が主催で行われた、デジタルマーケティングカンファレンス2024にて登壇したセミナー「「購買データ」で実現する、確からしいマーケティング」の内容をダイジェストにてお送りします。リテールメディアの概要とその重要性、具体的なデータ活用事例についてご紹介し、効率的なマーケティング戦略の実現方法を探ります。

ポイント

  1. リテールメディアの定義
    本稿での「リテールメディア」の定義は、購買データを活用した小売業のメディアサービス全般を指します。
  2. コロナ禍による変化
    コロナ禍を通じて生活者の価値観や購買プロセスが変化し、リテールメディアの重要性が増しています。
  3. 実店舗での購買データの重要性
    実店舗での購買データを活用することが、効率的なマーケティングの実践において不可欠です。

開催概要

  • イベント名
    宣伝会議 デジタルマーケティングカンファレンス2024
  • タイトル:
    「購買データ」で実現する、確からしいマーケティング
  • 開催日時:
    2024年2月9日(金)15:55~16:25
  • 形式:
     Zoomウェビナー
  • 登壇者:
    株式会社オリコム:向井直(デジタル×プランニングユニットデジタルコミュニケーションプランニング局デジタルプランニング部 マネージャー)

リテールメディアについて

リテールメディアとは、小売業が持つ購買データを活用したメディアサービス全般を指し、広告市場で急成長しています。主にスーパーやドラッグストアで商品を販売するメーカー様向けにリテールメディアについて説明しました。

リテールメディアの重要性

リテールメディアの重要性が増している理由は以下の3点です。

  1. 広告効果の最大化のための効率化
    メーカー様側の目線から広告効果の最大化が求められています。円安や物価高の影響で宣伝費が縮小傾向にあり、限られた予算で売上を最大化するために効率化が必要です。
  2. 生活者の変化
    コロナ禍を通じて新しい働き方や価値観が生まれ、生活者のニーズやライフスタイルが多様化しています。従来のマーケティング手法では生活者を捉えにくくなっているため、新しいアプローチが求められています。
  3. 購買プロセスの変化
    スマートフォンを使って簡単に商品を購入できる時代になり、購買プロセスが複雑化しています。その中で生活者をどのように捉えるかが課題です。

購買データ活用について

デジタルマーケティングにおいて、メーカー様のマーケティングセクションに所属する方々が直面する壁は以下の2つの場合が多いのではないでしょうか。

  1. 広告配信のターゲティングの限界
    従来のターゲティング手法では、主婦層やM1・F1層、Z世代など特定のデモグラフィックに絞って広告を配信しますが、共働き世帯の増加や個々のライフスタイルの多様化により、効果を発揮しにくくなっています。
    加えて、サードパーティクッキーの規制強化により、Webブラウザ上の閲覧行動データに基づくターゲティングも難しくなっています。
  2. 広告の効果検証の限界
    デジタル広告の効果は数値で測定できますが、それが実際の購買にどの程度結びついたかを明確にするのは難しいのが現状です。

これらの課題を解決するために、実購買データの活用が重要です。実店舗での購買データをベースにすることで、購入に繋がりやすいユーザーにアプローチし、その結果を検証することが可能になります。

実購買データ活用のイメージ

従来のデジタルマーケティングでは、Web上の行動データを基に購入につながりそうなユーザー層にリーチし、認知から購買までを促す手法が一般的でした。しかし、この方法では購買に繋がるか不確実なユーザーにも広告が届くため、広告の無駄が多く、成果が得られにくい状況でした。
一方で、実購買データを活用すると、初期設定が変わります。購買データを基に購入に繋がりやすいユーザー群に絞ってリーチを行うことで、購買に至るまでのスピードを速め、広告の無駄を減らし、効果を高めることができます。

ターゲティングの具体例

  • 自社商品をよく購入しているユーザーに新商品を告知する
  • 競合商品を多く買っているユーザーに自社商品の良さを伝えてブランドスイッチを狙う
  • 同カテゴリの商品を買っているユーザーに併売効果を狙う
  • 休眠ユーザーにクーポンを提供して再度購入

こういった、柔軟かつ効果的なターゲティングが可能です。
購買データを活用することで、認知から購買までの精度が向上し、効果的なマーケティングが可能になります。
配信先のメディアもディプレイ広告、YouTubeなどのOTTメディア、InstagramをはじめとしたSNS広告など主要なメディアにて、購買データを活用した広告配信が可能です。

事例紹介(抜粋)

当日はそれぞれのメーカー様が持つ課題に対して、購買データを活用した具体的な実行施策とその成果を、ご紹介いたしました。

  1. 某化粧品メーカー様の課題
    ・商品ベネフィットを理解してもらうために長尺動画で商品理解・購入に繋げたい
    ・競合の商品を使っているユーザーからブランドスイッチを狙いたい
    ・広告配信した結果が実購買にどれくらい繋がっているのか効果検証したい
  2. 某食品メーカーAの課題
    ・地上波テレビCM実施時にデジタルAD配信も組み合わせて認知・購買を底上げしたい
    ・とはいえ、そもそもデジタルが売りに繋がるか懐疑的
    ・実施した結果の購買リフトレポートがみられるなら検討してみたい
  3. 某食品メーカーBの課題
    ・従来はデジタルAD配信もマス媒体同様、リーチ効率の観点でしか評価していなかった
    ・新しい手法にトライしながらデジタルのプロモーションの可能性を模索してきたい
    ・実購買データを活用した配信を試して、購買リフトレポートで今後の示唆を得たい

これらの結果から、実購買データを活用することで、確実なマーケティングが実現し、広告の無駄を減らし、効果を高めることが証明されました。

まとめ

本ウェビナーでは、購買データを活用したリテールメディアが効率的なマーケティングを実現し、広告効果の最大化やターゲティング精度の向上に寄与することを事例を交えて、詳しく説明いたしました。
株式会社オリコムは、最新のデータ活用技術を駆使し、クライアントのニーズに応える最適なマーケティングソリューションを提供します。今後のマーケティング活動におけるプロモーション時、リテールメディアの活用を検討される際の一助となれば幸いです。

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