Our TopicsOOHで増える、オンラインストアの広告
駅構内にバーチャルショップが出現
昨年11月16日からクリスマスにかけて、日本トイザらスは、クリスマス商品の広告展開をJR新宿駅、大阪駅、名鉄名古屋駅で実施した。子供に人気の玩具とその価格が多数出ていたが、同時にその一つひとつにQRコードを表示。ボードには、「携帯・スマホでショッピング」「QRコードでスキャンしてオンラインストアでショッピング」とあった。QRコードを読み取ると、オンラインストアの、各々の商品購入ページに直接アクセスでき、その場でショッピングができる仕組みになっていた。駅構内にバーチャルショップが出現したと言えるだろう。これを見て思い出すのは、2011年のカンヌでメディア部門グランプリを受賞した「ホームプラス地下鉄スマートバーチャルストア」だ。これはソウルの地下鉄で、テスコの韓国子会社ホームプラスが実施したものだが、数ヶ月でオンラインショップの売上が130%増加。新規登録者も76%増えたと絶賛されたものだ。こういった動きは上海でもあるようだが、国際的展開をしていて実情を知っているからこそ、日本でもこのユニークな展開を実施したのではないかと思う。今後にも注目だ。最近、OOHメディアでオンラインストアの広告が増えているように思える。JRトレインチャンネルでも、イトーヨーカドーのネットスーパーやZOZOTOWNの広告を見るようになったし、楽天もセールの告知を時々中づり広告で行っている。2月11日の週にはJRのドア横新Bで、オンラインファミリーセールサイト「グラムール セールス」が出稿をした。
ビジュアルインパクト、カタログで認知向上
日本 トイザらス以前にも、セシールが、バーチャルショップ展開をしている。昨年10月8日から21日まで東京メトロ新宿駅で実施した、「アニタ・アレンバーグ」の広告だ。まず、全身2メートル近いモデルが商品を着用した12の姿がインパクトを与えていた。次に、タッチディバイスを設置し、スマホや携帯で掲載アイテムのショッピングや、1000円のクーポンを貰えるようにしたり、フェイスブックのファンページへの誘導もしていた。さらに、クーポン付き無料カタログも設置。後でじっくり見たいという人のニーズにも応えた。このように、OOHの現場でオンラインでの購入を促す試みが出ている。その背景には、スマホの急速な普及があるだろう。ただ、商品単品での例はまだ少ない。サイト自体の認知拡大、誘導、WEBやテレビで取り込めなかった新規顧客獲得には効果が見込める可能性がある。検討してみてはいかがだろうか。
※このコラムは「宣伝会議」2013年3月号からの転載です。