Our TopicsOOHメディアでAR体験
新宿駅でバーチャル試着
8月19日から1週間、日本テレビは、24時間テレビのプロモーションでOOHメディアを使った、東京メトロ新宿駅の大型ボードにデジタルサイネージを設置。その前に立つと鏡のように自分の姿が映し出され、番組の象徴である「チャリTシャツ」が合成される企画。まるでバーチャルに試着をしているようである。Tシャツのデザインは草間彌生さんと大野智さんが共同創作されたもので、白、水色、ピンク、黄色の4種。この方式はバーチャルフィッティングとも言いアパレルなどの店頭でも実施されている。東京では東急プラザ表参道原宿のHUMOR SHOPに、大阪ではグランフロント大阪のナレッジキャピタルなどにある。人の動きをリアルタイムに解析し、Tシャツの画像を追随表示する仕組みとなっており、AR(Augmented Reality=拡張現実感)の技術を用いている。親子連れを中心に多くの人がサイネージの前に集まり、Tシャツを着た姿をスマホで撮っている様子が見られた。尚、このチャリTシャツの売上枚数は、史上最多の100万枚を突破したという。
ARのマルチディバイス体験
ほぼ同時期にKDDIは、「驚きを、常識に。」のキャンペーン第3弾として、CMの世界観を体験できるスマートフォン用アプリ「ODOROKI」を公開した。アプリを立ち上げ、PLAY SCREENと表示してあるOOH広告を撮影すると、ビジュアルを認識。動画が再生されデジタルの世界に閉じ込められたCMの主人公を救出するというパズルゲームが始まった。これはスマホを使ったARである。撮影するポスターのビジュアルによって、男性と女性それぞれが主役となる2種類のストーリーが展開。実際に試すと、スマホにCMの女性が出て、「こんにちは、スキャンしてくれてありがとう、あのー実はちょっとここから出してほしいんですけど・・・。」とLINEトーク風のメッセージが表示された。救出しようとゲームに挑戦してみたが失敗。ゲームオーバーに。するとこの女性に睨まれてしまった。全部で432ものストーリーパターンがあり、繰り返し楽しめる。同キャンペーンが謳う「スクリーンで、遊ぶ、演じる、再生する驚き」のマルチデバイスを体験出来たと言えよう。テレビCMや特設サイトでも実施可能だったが、スマホを見ることの多い駅空間との相性は悪くないだろう。
このように方式は違うが、デジタルテクノロジーであるARを使った展開が連続してOOHメディアにて行われた。バーチャルでインタラクティブなものであるが、体験自体はリアルで価値あるものに違いない。参考にしてみてはいかがだろうか。
※このコラムは「宣伝会議」2013.12月号からの転載です。