Our TopicsOOHで行われるターゲティング広告
合格発表を見に来た受験生に向けたメッセージ広告
ベネッセコーポレーションは、東京大学入試合格発表日の3月10日前後の1週間、最寄り駅である丸ノ内線本郷三丁目駅で広告ジャック展開をした。階段、エスカレーター、改札周辺の壁面などに「1人で机に向かう孤独も苦しみも、すべては、この日につながっていたんだ。」「3月10日、東京大学合格発表日。それは同時に、皆さんがゼミから卒業する、その日であります。」「おめでとうの前に、まずは、ありがとう。あなたの頑張りは、これからの進研ゼミの誇りになります。」などと講座会員に向けてメッセージの入ったポスターを9種類掲出した。これまでの努力を振り返りつつ、新たな旅立ちを祝うという気持ちが伝わってくる。最近では、大学構内に合格発表を掲示するところも少なくなっているが、東大では毎年恒例で多くの受験生が訪れる。ピンポイントに彼らにターゲットを絞った展開と言えるだろう。
動線上のメディア活用で効果的に訴求する
2月24日、東京マラソンが実施されたが、それに先立ち「東京マラソンEXPO2013」が、21日から3日間、東京ビッグサイトで開催された。ここはゴール地点でもあるが、約3万6000人のランナーが、ナンバーカードを受け取る場でもあり、さまざまな企業がイベント展開を行っていた。ニューバランスジャパンもそのうちの1社だったが、同時にビッグサイトの最寄り駅である、りんかい線の国際展示場駅とゆりかもめの国際展示場正門駅や新橋駅で、ポスターの集中掲出を行った。「レースの主役になろう。」とランナーを応援するビジュアル展開で、マラソンのコースに沿って、JR品川駅、東京メトロ銀座駅、浅草駅でも実施していた。品川駅ではデジタルサイネージにフェイスブック上の「いいね!」の数をリアルタイムに表示するユニークな試みも行われていた。
このように、特定の目的や関心で共通項を持つ多くの人が、駅などを利用するタイミングに合わせて広告訴求することは、オンラインの広告でいう行動ターゲティング広告と似ているだろう。最寄り駅や最寄りの路線など動線上にあるメディアを使うのがポイントだ。他にも初詣、お花見、花火大会、海水浴、紅葉狩りなども考えられる例としてあるだろう。あくまで商品との関連性があればだが、検討してみてはいかがだろうか。
※このコラムは「宣伝会議」2013年4月号からの転載です。