Our Topics2018FIFAワールドカップの関連広告、駅を中心にOOHメディアが活用される
テレビ、インターネットに次いでOOHがメディア別広告費3位に
電通が発表している2017年の日本の広告費の媒体別内訳では、OOH広告は交通広告2002億円と屋外広告3208億円に分けて出しているが、両方を足すと5210億円になり新聞広告の5147億円を上回っている。おそらく過去に超えたことは無く、歴史的変動である。テレビ、インターネットに次いで3番目にOOHメディアに広告費が投下されたということだ。4マス+インターネットで論じられがちな中で相対的に存在感が増したと言えるだろう。2018FIFAワールドカップロシア大会で決勝トーナメントに進出した日本チームも世界の中で存在感を示したが、期間中OOHでユニークな関連広告が実施された。
AI搭載ロボット「AIカビラくん」が駅のイベントにも登場!
フジテレビジョンはFIFAワールドカップの日本対ポーランド戦など8試合を生中継するという広告を6月11日からOOHメディアで行った。東京メトロ新宿駅には、中継MCのジョン・カビラさんが語りかける大型ポスターを掲出。驚くことに、13日からその場所に「AIカビラくん」という音声合成技術と人工知能を搭載した、カビラさんの声で会話が出来るロボットが登場したのである。会場では、子どもが楽しそうに話かける場面も目撃され注目を集めた。試しにポーランド戦の結果予想を聞いてみると「私の予想では、勝利するのは日本です。(中略)本田選手が1得点、宇佐美選手が1得点。試合は大接戦になりますが結果は2対1でニッポン!」と手と頭を動かしながら軽快に答えてくれた。残念ながら予想は外れたが、視聴率は驚異の44.2%(関東)だった。
駅のメディアを使ったTwitterのキャンペーン告知
Twitter Japanは、「あなたは誰を選ぶ?#マイベストイレブン」とするプロモーションを行った。「サッカーの『いま』を楽しもう!」をテーマにしたユーザー参加型キャンペーンで、自分が考えるベストイレブンをTwitterに投稿し合うというものだ。この告知にも駅のメディアが使われた。元サッカー日本代表でタレントの前園真聖さんなどサッカーにゆかりのある11人が出演。新宿、東京、渋谷、池袋、表参道、品川、六本木、新橋のほか全国5都市の中心駅でポスターやサイネージなどを使い展開した。Twitter上ではロシア大会の出場選手だけでなく、好きな野球球団、好きな声優、好きなおにぎりの具、お国自慢、さらに企業もベストな商品やメニューを呼びかけるなど、自由な発想で拡大解釈されたベストイレブンが次々に投稿されたほか、駅の広告を撮った写真も多く見られ大変な盛り上がりだった。
このように、テレビやインターネットのメディア企業が自社メディア以外にOOHメディアを選んだ点は注目すべき点だ。3番目のメディアであるOOHを印象付ける展開と言えるだろう。今後のメディアプランの参考にしてみてはいかがだろうか。
※このコラムは「宣伝会議」2018年9月号からの転載です。