Our Topics巨大化が進むか、駅のデジタルサイネージ

新宿に全長14メートルの巨大サイネージが登場!

昨年11月25日JRA(日本中央競馬会)は、「ジャパンカップ」のプロモーションで、東京メトロ新宿駅で巨大なデジタルサイネージ展開「ステーションケイバ」を実施した。高さ約1.8メートル、全長約14メートルにおよぶこのサイネージは「マイクロタイル」と呼ばれる製品だ。クリスティ・デジタル・システムズ社のこの製品は、高さ306㎜、幅408㎜、奥行き206㎜のモジュラー型リアプロジェクターで、これを、なんと204個(縦6台・横34台)も組み合わせて巨大化したものだ。駅構内でこれだけの大きさのデジタルサイネージが設置されたのは初めてだろう。ディスプレイ前の床には人工芝を敷き、天井には空を描いて競馬場を再現。コンテンツも凝った作りで、「等身大の競走馬が新宿の地下を走る」として、100m日本記録のスピードで走る人間(アニメ)と馬を競走させ、馬に一瞬にして抜き去られた後、「勝負になりませんね」という字幕が入るといった楽しいシーンもあった。巨大画面の威力は抜群で、視線を向けるのはもちろんだが、立ち止まって見ている者も多くいた。 通常のプロジェクターよりはっきり見え、屋外の大型LEDビジョンと比べると、近づいて見た場合こちらの方が粗さが出ない。液晶の画質までは及ばないだろうが、反射はなかった。組み合わせたタイルとタイルの繋ぎ目が1㎜でシームレスというが、白っぽい映像だとそれが見えた。しかし、許容の範囲と考える。 デジタルサイネージを常設媒体だけでは無く、臨時に一定期間使用するケースも増加している。コスト面の課題もあるが、そうしたニーズにも応えるものになりそうで注目だ。

駅の常設のサイネージも大型化するか

昨年7月、JR東京駅丸の内中央口横の壁面に、284インチの大型で従来のものより高精細なLEDビジョンが設置され広告運用された。八重洲側には、シャープの自社使用の300インチの液晶マルチビジョンがある。恵比寿駅では、山手線線路脇に175インチの高精細LEDビジョンを設置し、昨年6月から12月まで試験運用をして媒体化を検討している。このように、駅構内ではデジタルサイネージの進化と共に大型のものが設置される動きがある。既存大型プリント媒体の置き換えになるかもしれないが、活用を検討してみてはいかがだろうか。

※このコラムは「宣伝会議」2013年1月号からの転載です。