Our Topics京浜急行電鉄をまるごと広告ジャック!丸美屋食品工業が食卓を明るく楽しくする広告を出稿
食卓を明るく楽しくさせる
京急「丸美屋ハッピートレイン」
2020年9月20日から3週間、丸美屋食品工業は、発売60周年の「のりたま」、同じく50周年の「釜めしの素」、来年に50周年を迎える「麻婆豆腐の素」の3商品の周年を記念し、京浜急行電鉄にしかない広告貸切電車企画を実施した。この車両は「HAPPYになる電車」がコンセプトである黄色い車体の「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」と呼ばれるものだ。赤い車体が中心の京急線では、この黄色い車体は1編成だけだが、非常に目立つ存在でもある。これを「丸美屋ハッピートレイン」として走らせたのだ。
宣伝担当者は、「周年記念で何か盛り上げることが欲しいと考えていた。コロナ禍の社会情勢の中、家族の団らんや楽しい食卓づくりのお手伝いをしたいという思いも込め企画した」という。
車体には3商品のパッケージと、かわいいキャラクターが掲出された。特に「のりたま」は、黄色のイメージがあり、車体のカラーと親和性が高い。車内の中づりでは、縦書きの文字が並ぶ雑誌風のデザインにして読ませる工夫がされていた。ステッカー広告には「丸美屋の麻婆豆腐では絹ごしと木綿豆腐のどちらの豆腐をおすすめしているでしょうか?」という質問や、パッケージの間違い探しなど各商品に関するクイズをふりがな入りで掲出してあり、大人から子どもまで楽しめる内容になっていた。
電鉄会社と京急ストアの協力で
販促プロモーション面も充実
この広告出稿を受けて、電鉄会社とそれに関係する京急ストアで店舗内のエンド陳列を行うなど、販促面でも協力が得られたそうだ。
また、9月25日には公式Twitterでフォロー&リツイートキャンペーンも実施。1000リツイート超えで消費者への企画として「丸美屋オリジナルLINEスタンプ」をプレゼント。1週間も経たないうちに上限の5万ダウンロードがされている。
Twitterの投稿には、「幸せな気持ちになれそう」「子どものテンションがあがりそう」「電車可愛い、機会があれば乗りたいです」など好意的なコメントも多く見られた。
周年というと、過去の歴史を振り返り、ミュージアム化して訴求するケースもある。これに対し担当者は「一歩間違えるとメーカーのエゴに繋がりかねない。あくまで消費者視点を心がけ、現在に焦点を当てたかった」と話した。
食卓を明るく楽しくする「丸美屋ハッピートレイン」。今のコロナ禍情勢にふさわしいOOH展開だ。参考にしてみてはいかがだろうか。
※このコラムは「宣伝会議」2020年12月号からの転載です。