Our Topicsプロの技術を体験するOOH広告

プロのアーティストによるメイク体験

9 月3 日から5 日間、常盤薬品工業は東京メトロ新宿駅で「エクセル」ブランドのアイシャドウ「ファイブレイヤーズシャドウ」の新色発売プロモーション「秋のトレンドメイク体験イベント」を実施した。これは自社製品を使って、通行者に「アイメイク」もしくは「眉メイク」をその場で体験してもらうというものだ。メイクをするのは、テレビや映画に出演する女優やタレントを手がけるプロのメイクアップアーティストの人達で、そのテクニックを体験したいという人は多く、5 日間で4 5 0 人以上の女性が参加した。公衆の面前で実施することに抵抗感があるのではとも思ったが、ブースデザインにも工夫があり現場ではその懸念は無く、ほぼフル稼働だった。15分ほどでメイクを終えた誰もが笑顔を見せていたのが印象的だった。中にはエクセルメイクが好きで持っていて、その使い方を学ぶために来たというコアなファンもいたようだ。「古(こ)スメにさよならBOX」というユニークなコーナーもあった。これは、いらなくなったアイシャドウ、チーク、リップなどの古いコスメを入れてもらうというもので、驚くことに期間中9 0 0 点以上も集まった。ポーチの中や引き出しの中に、使えるけど使っていないコスメがあるという女性のインサイトを突いたヒット企画だ。男性には考えつかないだろう。「スマートにオータムコスメに乗り換えよう」と促しているのも動機付けとして効くに違いない。ちなみに古スメの使い道だが、画材(絵の具)として再利用されるそうだ。近隣の販売店舗では、イベント初日から売上に影響があったという。リーセンシー効果も発揮したようだ。

プロのカメラマンによる雑誌の表紙写真体験

4月1 2 ・1 3 日ユニリーバ・ジャパンは、新シャンプー「C L E A R 」のサンプリングイベントを新宿駅の屋外で行った。ここで注目したのは、プロのカメラマンが撮影した自分の写真が、C L E A R マガジンの表紙写真イメージとなるプロモーションだ。本来は宮崎あおいさんとクリスティアーノ・ロナウドさんになるのだが、それが自分になるというもの。プロの機材が設置されたブースに入り撮影。出来た画像は10倍格好良く見えた。SNSにアップすると雑誌がもらえるということだったが、プロの写真の威力は抜群で、多くの者が本当に表紙を飾ったと思われた。モデル気分になったがそれもとても心地良いものだった。体験の課程でC L E A R が、毛髪科学と皮膚科学が融合した製品であることを理解できるようにもしており、参加者は、ここ1カ所2日間だけで、600人近くにもなった。

このように、商品を使ってプロの技術を体験するOOHプロモーションは、満足度が高く、しかも製品について深く伝えるのに有効な手法だ。特に今回挙げた事例では、美しい顔になる、美しい写真を撮るなど全ての主役が自分で、自分ごととして受け止めやすいものだろう。参考にしてみてはいかがだろうか。

※このコラムは「宣伝会議」2014年11月号からの転載です。