Our Topicsスマホとの連動

スマホと街頭ビジョンが連動

7月25日~31日、東急電鉄は渋谷道玄坂商店街振興組合と共同で、ハチ公口交差点前「QFRONT」の大型ビジョン「Q&rsquoS EYE」のリニューアルを記念したイベント「Q&rsquoS EYE 渋谷夏祭り」を実施した。このイベントの特徴はスマホとデジタルサイネージ(街頭ビジョン)を連動させた点。スマホを操作すると、それが街頭ビジョンに反映されたのだ。象徴的だったのが、「渋谷デジタル花火大会」。スマホの画面に指を滑らせると、大型ビジョンにデジタルな花火が打ち上がるというもの。運営上の混乱を避けるためか、スマホ保有者限定、人数制限、時間制限の事前申し込み制だったが、当選者は、時間の指定を受けスタンバイ。参加時間になったら、打ち上げ画面にログインして楽しんだ。参加者の中には「自分で操作しているという感触を得られる仕組みになっているので、いま私がこの大画面に花火を打ち上げているのだ!という実感で興奮するし、高精細かつ国内最大級の大画面だからこそのダイナミズムと感動がありました」という感想を持つ者もいた。実際、操作と同期が取れており、驚くことに破裂時の音も画像と一致していた。また、事前の予約やスマホがない人でも当日参加できるブースが、井の頭線への2階連絡通路付近に用意され、より多くの人が楽しめるようになっていた。31日までの7日間で3700人が参加。打ち上げられた花火は8万6000発にもなったという。人気の高さから、時間限定だが8月31日まで延長された。

また、渋谷に拠点を構えるエンタメ企業も双方向型のデジタルアトラクションを行った。ミクシィ社およびミクシィマーケティング社は、「渋谷の中心で愛をつぶやこう!」を実施。特設サイトにアクセスし、「マイミクへの愛を一言!」、「好きな人への愛を一言! 」といったお題や質問にmixiボイスでつぶやいて答えると、Q&rsquoS EYEに表示された。サイバーエージェント社の「アメーバピグ」からは、「ピグ 渋谷で夏祭り」として、特設サイトにアクセスすると、自分のピグを「Q&rsquoS EYE」に表示させることができた。さらにNHKエンタープライズ・NHKプロモーション社からは、スマホ用アプリ「深海カメラ」が登場。起動して「Q&rsquoS EYE」に表示される「深海」のロゴにかざすと深海生物が取り込め、一緒に写真を撮れる仕掛けを行った。どれもが、街頭ビジョンのさらなる可能性をも感じさせてくれるインタラクティブなイベントといえるだろう。このような試みは、以前にも秋葉原で携帯電話と大型ビジョンのインタラクティブなゲームイベントがあったが、独特のアプリを備えたスマホからデジタルサイネージへの動きは新しいだろう。最新鋭のビジョンは納入したヒビノ社によると従来の4倍高精細。高輝度で多彩な映像表現、新たな広告手法が可能となっているとのこと。運営上の課題もあるだろうが、検討してみてはいかがだろうか。

※このコラムは「宣伝会議」2013年10月号からの転載です。