Our Topics史上空前の渋谷ジャック展開
渋谷の街が「グラブル」一色に
Cygamesは登録者数が1200万人を突破したソーシャルゲーム(本格RPG)「グランブルーファンタジー」のOOH広告を渋谷地区に大量に投下するプロモーションを8月に実施した。ゲームのオーケストラコンサートが8月12日・13日に東京・渋谷Bunkamuraオーチャードホールで開催されるのに連動した展開で、駅からコンサート会場への動線上に多数のビジュアルを展開した。
駅構内では、ゲームに登場するキャラクターに加え、その世界観である空の世界を天井・壁・床・階段までのラッピングによる空間ジャック展開で見事に表現していた。青い空と白い雲に装飾された空間は非日常的で、駅がテーマパークになったかのような印象すら覚えた。
屋外では渋谷のスクランブル交差点から見える様々な広告媒体をジャックした。これほどの規模での展開はおそらく前例がないだろう。まさに史上空前の渋谷屋外広告ジャック展開だ。ビルの上の大型ボードに見える多数のキャラクターたちは、実際の空と雲の中にあたかも地面から浮かんでいるように見え、空中が舞台のゲームの世界観をイメージさせていた。驚くことに道玄坂や公園通り、センター街の商店街のフラッグや、ビルの壁面にまで広告がされていた。センター街では、ゲームのオーケストラの楽曲まで聴くことが出来た。
広告ビジュアルは、よく見ると1面1面違っており、実にきめが細かい。著名な開発陣を擁するゲームコンテンツ制作会社である強みが発揮されていたと言えるだろう。ネット上では、これらのビジュアルが何枚もアップされていた。コアなゲームファンには堪らない仕掛けだろう。
コンサート当日には、4つの大型ビジョンを一定時間ジャックして放映していた。TVでも見るCMを流すだけで無く、1面毎にキャラクターが1人登場して「渋谷のみなさん」と声優の声で人々に語りかける演出もされていた。
今回のプロモーションでは、駅空間のラッピングの仕方や屋外媒体の規模感、商店街を巻き込んだ展開、ビジュアルの種類、大型ビジョンの表現演出など、従来の枠を超えた展開も見られた。全て同じ事をするのは簡単では無いだろうが、部分的でも参考にしてみてはいかがだろうか。
※このコラムは「宣伝会議」2016年10月号からの転載です。