Our Topicsクリスマス時期にサプライズ演出をプレゼント

渋谷のハチ公前に突如初雪が降る

11月2日17時半、渋谷のハチ公前広場は多くの人が待ち合わせなどで賑わっていた。そこへ突然、プシューという音がして、何やら白いものが次から次に落ちてきた。どよめきや歓声が入り交じった後に、「えーなにー?」「なにこれー?」などという声が次々に聞こえた。 これは、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドが仕掛けた、クリスマスイベント開催記念でのサプライズイベントだ。ハチ公前にある大型ボードの上部に5台の装置を設置し、そこから勢いよく人工の雪を噴出させたのである。駅から外に出た人は、思わず上を見上げ、中には「これって本物の雪じゃない?」などとと言い合う姿も見られた。実際すぐに溶けて無くなったからである。雪が降っている方に、ほとんどの人の視線が集まったが、そこには、ミッキーマウスなどのディズニーキャラクターが見える大型ボードの広告が掲出されているという仕掛けになっていた。同時に、目の前の街頭ビジョンにもテレビCMを放映していた。 事前の告知も特に行わなかったようだが、本格的に冬を迎えるようになるこの時期に「都会で初雪」ということのサプライズ感はひときわ大きかったように思う。その後2回、次の日も行われた。スマホや携帯で撮影された写真がツイッターなどにアップされ、話題になっていた。書き込みには好意的な意見が多く見られた。

大阪梅田でもショウィンドウに雪

11月21日、阪急百貨店梅田本店がグランドオープンした。10月25日の先行オープン以来6日間で前年同期比2・2倍の100万人を集め、最寄り駅の阪急梅田駅やJR大阪駅の乗降客数も増加しているようだ。注目したのはそこにある「ショーウインドウ」だ。1階と2階合わせて、横幅8m、高さ9mと巨大な上、全部で7カ所連なっている姿は存在感たっぷりだ。驚いたことに、このショーウィンドウ中に「雪」が降っていたのである。元々梅田のクリスマスの風物詩としてこの「雪降るウインドウ」は、25年以上親しまれてきたそうだ。同時に、同店のクリスマスキャラクター「リサとガスパール」のオリジナルストーリーを展開。多くの人(特に女性や子供連れ)が立ち止まり、見ていた。話を聞くと「阪急のクリスマスといえばリサとガスパール!お帰り!という感じ」とのこと。顧客との絆作りが上手く出来ていることがわかる。クリスマス時期に雪が降ることに好意的な都会では、このようなプロモーションの効果は高いのではないだろうか。さまざまな場面で降らせてみてはいかがだろうか。

※このコラムは「宣伝会議」2012年12月号からの転載です。