Our Topics駅構内の実機展示イベントで通行人を捉える
発売前に展示 3D映像を見せる
2月26日、裸眼で立体視が可能な携帯用ゲーム機、「ニンテンドー3DS」が発売された。その発売前に、首都圏では渋谷・品川・秋葉原の駅構内で実機展示イベントが行われた。構内にブースを設置し、小窓を開けて3Dのゲーム映像(デモ)を見せたところ、多くの通行人が足を止め、次々に覗いて見ていた。
3D映像は、実際に見てもらわないとその魅力を伝えきれない。その点、実物を見せることが可能なOOHメディアを使うのは有効だ。ゲーム機に関心があり、情報感度の高い人たちも多いであろう秋葉原という場所もターゲット効率的には良かったに違いない。
ツイッターでは、「ついつい覗きたくなった」「飛び出すより奥行き感が強かった」という体験者のつぶやきが見られ、バズを生み出していた。
アイドルが着用した衣装を展示
日本ヒューレット・パッカードも1月下旬、丸ノ内線新宿駅で、PCの実機展示イベントを実施した。
テレビCMに登場するAKB48のメンバーが実際に着用した衣装も同時に展示し、等身大のデジタルサイネージを使って、参加者がその衣装をバーチャルに着用した姿や、メンバーとのツーショット画像を見せた。希望者にはPCや携帯へその画像が送られた。人気アイドルの効果は高く、一時は参加者の行列ができるほどだった。
これらの事例のように、イベントでは効果的に実機を見せる演出が可能だ。特に駅構内では、集客の手間をかけずに多くの人々に訴求することができ、そのまま駅周辺の販売店への誘導も促せる。ソーシャルメディア上での“バズネタ”としても機能する。体験者は商品をより深く認識し、理解できたはずだ。
震災時に情報を提供していたデジタルサイネージ
多くの犠牲者を出した東日本大震災。OOHメディア業界でも、広告自粛のほか、計画停電の影響もあり、首都圏の多くの照明を使う広告看板やデジタルサイネージが消灯した。そうした中、JR各駅構内の業務用サイネージがNHKのテレビ映像を放映し注目を集めた。欲しい情報をタイムリーに流すことができ、デジタルサイネージの真価が発揮されていた。実施のハードルは高いだろうが、広告目的で設置されているサイネージも、非常時には一部でも災害情報を放映できるようになればと思った。
※このコラムは「宣伝会議」2011年4月号からの転載です。