Our Topicsポスター展開の定番になったピールオフ広告

ポスターにグッズを貼付 持ち去り率は上々

11月7日、新宿など5つの駅で、大量の「マスク」を貼り付けたポスターが掲出された。これは、映画『コンテイジョン』の広告で、ウイルスに立ち向かう人々を描いた作品の世界観と合わせ、風邪などの感染予防を呼び掛けたものだ。
同じ日に、東京メトロの新宿駅では、靴下メーカーのナイガイが「プレゼント引換券」を貼付したポスターを展開していた。
また、10月には角川書店が、コミック『未来日記』の第1話を完全収録した「試し読み小冊子」(無料)を貼り付けたポスターを、主要駅で掲出した。
8月にはキングレコードが、AKB48の特製アナザーCDジャケット付きのポスターを渋谷駅で掲出。6月にもパナソニックが、「笑顔の種をみんなに。」というテーマで、駅構内のポスターに、ひまわりの種入りのポストカードを貼付した。
ポスターに簡単に剥がせるよう何らかのグッズを貼付して、自由に持っていってもらうこれらの広告手法は「ピールオフ広告」と呼ばれ、最近さかんに実施されている。単なる商品のサンプリングと受け取られそうだが、必ずしもそれだけではなく、商品現物以外のさまざまなプロモーショングッズが貼付される場合も多い。概して反応はよく、すぐになくなる場合がほとんどだ。8月のキングレコードの事例では、用意されたおよそ3000枚のジャケットが、わずか1時間で姿を消したそうだ。この「レアもの」は、AKB48ファンの心を見事に捉え、インセンティブ機能を発揮したといえるだろう。
上記以外にも、店舗のクーポン券、商品の香り付きバージョン、うちわ、マグネットカード、缶バッジなどのほか、キャンペーンの詳細やQRコードも載せ、WEBサイトへ誘導するきっかけとして使われている例も多い。ポスターの注目率を上げる効果や、ソーシャルメディアへの拡散も期待できる手法だ。なお、ポスターデザインも、グッズがなくなった後を想定して考える必要がある。パナソニックの場合、ポストカードを剥がすと、節電に協力している人々の笑顔と節電行動の記録が見える仕掛けになっていた。

デジタルでも情報を“持ち帰り”

JR東日本は、10月4日から山手線の1編成をWi-Fi環境にして、スマートフォン向けに、トレインチャンネルの広告や沿線の情報、クーポンなどをリアルタイムに配信する実験を行った。デジタルではあるが、これもある意味、ピールオフ広告と同じく「持って行ってもらう」手法といえるだろう。
グッズの選定や補充など、アナログな課題もあるが、ピールオフ広告は、ダイレクトな反応が見える手法でもある。一度検討してみてはいかがだろうか。

※このコラムは「宣伝会議」2011年12月号からの転載です。


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ピールオフ広告とは?
ピールオフ(peel off)とは「剥がす」意味であり、ポスターや壁にノベルティや商品のサンプルなどの貼り付けてあるものを、?通行人が剥がして持ち帰ることができる、交通広告の体験型プロモーション広告です。