Our TopicsOOHで郷土愛をくすぐる
ご当地キャラをプレゼント
2月4日、アサヒ飲料は十六茶のプロモーションで丸ノ内線新宿駅にあるOOH広告を使った。高さ約2m、左右14mの大型ボード4面に柱巻き広告30本、さらに天井からつり下がる高さ0.35m、左右3mものバナー広告を20面実施した。合計80mに及ぶ東京メトロ最大の広告スペースを使った展開は空間ジャックといえるもので、広告面に使われている青空の色が通路全体を染めて爽やかな印象だった。テレビCMでは、ご当地キャラクターが使われているが、それらを大型ボードで紹介。同時に、イベント展開も行った。日本全国56種類のキャラクターをあしらったキーホルダー入りカプセルを、大きなボックスに詰め通路に設置。巨大ガチャで通行者に無料でプレゼントをしたのだ。期間中、10:00 から 一日 8回実施したが、その効果は絶大で、毎回行列ができた。会場では広告キャラクターの新垣結衣さんが歌う「LOVE マシーン」の替え歌が聞こえ、テレビCMのリマインド効果も出していた。気になったのは、プレゼントコーナーだけでなく、ご当地キャラクターを紹介しているポスターボードの前でも人々が立ち止まっていた点だ。今やふなっしーやくまモンのようにキャラクター自体が人気になっているものもあるが、自分の住んでいる地域や出身地にゆかりのあるキャラクターを探す人もいたのである。
みんなのジモトにチャレンジ
同時期に、Tポイント・ジャパン(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)は、「ニッポン47都道府県みんなのジモトにチャレンジ!!キャンペーン」の告知をJR新宿駅で展開していた。階段付近に1枚1枚違う都道府県の名前が大きく出て、「○○県のみんな!」と呼びかけているポスターを62枚掲出した。キャンペーンは、自分のジモト(47都道府県)を選んでWEB上でエントリーをして、その総数が地域内でTポイントを持っている人の1%を超えたら1,000万ポイントを、対象のTポイント提携先で50ポイントを貯めた人に10,000万ポイントを、それぞれ皆で山分けが出来るというものだ。各県で現在の達成率を表示するなど、競争意識を促しているようにも思える。同時に、こちらもイベント展開をした。47都道府県の名産品がそろう限定ショップを2月10日だけ新宿東口駅前のイベントスペースにオープンし、ご当地カレー、ご当地麺、銘菓などを、わずか47のTポイントで交換することができた。こちらも寒い中、多くの人々が列を作った。注目したのは、自分のジモト(都道府県)にシールを貼るボードが設置してあったのだが、それを見ると一都三県が多い中、他県の人も結構いた点だ。
このように、都会の中心駅で、全国のジモト(地域)に根ざしたキャラクターのノベルティをプレゼントしたり、名産品を交換するプロモーションは、地方から来ている人の多い東京では、人々の共感を得やすく効果的に違いない。当然、ソーシャルメディアへの拡散も少なくなかった。このような展開は、オリンピックで皆が日の丸(日本)を意識すると同じように、ジモトびいき、郷土愛をくすぐるプロモーションといえるのではないだろうか。参考にしてみてはいかがだろうか。
※このコラムは「宣伝会議」2014.4月号からの転載です。