Our Topics新設の4Kサイネージが聖地に、ロイヤルユーザーをOOHで捉える
大画面を1社で独占
4月20日から1週間、アニメ・ゲームの企画や制作などを行うブロッコリーは、「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ」のプロモーションで、4月から稼動した西武池袋駅のデジタルサイネージを使った。通称「うた☆プリ」はテレビアニメだが、元々は、登場するキャラクターと恋愛体験をする女性向け恋愛アドベンチャーゲームで、これまでもいくつかのシリーズがあった。4月から同タイトルのテレビアニメが放送され、その中のアイドルソングシリーズの発売告知をしていた。CDジャケットにも描かれたイケメンアイドル7人が、一定時間で切り替わる画像は、離れていてもしっかり視認できるほど迫力があった。4K対応84インチの大画面24面を1社独占でできるこの媒体だからと言えるだろう。多くの女性が集まり、スマートフォンで撮影する姿が見られた。この新設の4Kサイネージの場所が聖地となったと思えるくらいだ。コアなファンにはたまらない演出で、いわゆる「テンションMAX」な人も見受けられた。池袋駅東口のアニメショップの中には、専用コーナーを設ける他、エレベーターの扉や階段の蹴込み部分までラッピングしていたところもあった。駅でのモチベーションを上げる広告と店舗販促との連携で、効果は期待できそうだった。
乙女ロードの動線上の媒体が人気
東池袋周辺は、コミックやゲーム、アニメ、コスプレ、同人誌の専門店が多い他、アニソン・ボーカロイド曲の多いカラオケや執事喫茶まである。集積してあるエリアの通りを「乙女ロード」と呼ぶくらいマニアックな若い女性に人気のスポットだ。4月27日には、丸ノ内線改札から乙女ロードへ向かう動線上で、地上に出る手前にあるデジタルサイネージにアニメのイケメン男子の広告が登場した。「刀剣乱舞」と書かれたものは、DMM.comのブラウザゲームだ。刀剣育成シュミレーションゲームとも呼ばれ、名刀がイケメン戦士の姿になった刀剣男子を集めて育成し、バトル展開するゲームでこれも女性に人気だ。両脇の壁面にあるボードにもB0で4枚分のポスターが貼られ、ここでも時折女性が立ち止まり撮影する光景が見られた。元々ここは、アニメやコミック、ゲーム関連の広告主が多い。マニアックなユーザーをターゲティングできる場所だからだろう。ローソンは、2009年頃に「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」とコラボしたが、それ以来「魔法少女まどか☆マギカ」「けいおん!」最近では「うた☆プリ」の他、「艦隊これくしょん ‐艦これ‐」「新テニスの王子様」「進撃の巨人」「ラブライブ!」など立て続けにアニメ系コンテンツとコラボし、販売促進に活用している。アニメやゲームなどのキャラクターの活用は、固定的なファンを取り込むことになるので、コラボ商品販売のベースにもなるし、キャンペーン応募効率を上げることにもつながる手法だ。このように、池袋でマニアックな若い女性をターゲティングするなど、コンテンツの持つロイヤルユーザーを捉える手段として、OOHの活用も検討してみてはいかがだろうか。
※このコラムは「宣伝会議」2015年7月号からの転載です。