Our TopicsOOHメディアを活用した家電製品の実証広告
リアルな比較実証広告で製品の機能的価値を訴求
2017年11月27日から1週間、日立アプライアンスは、日立の家電製品では初となる体験型イベントを東京メトロ丸ノ内線新宿駅で実施した。テレビCMでは櫻井翔さんが商品の機能を解説し、メンバーそれぞれと掛け合う展開だったが、その世界観をリアルな場で再現した。
例えば、エアコンのコーナーでは、「凍結洗浄」という機能を訴求していた。これは熱交換器を定期的に凍らせ、溶かした水でホコリやカビなどを洗い流すというものだ。カバーを外し、中にある熱交換器を凍結させ、それを一気に溶かす様子を実際に見せていた。わかりやすいようにサイネージで接写した画像や時間を短縮した映像も見せていた。さらに8年経過し汚れた熱交換器も展示していたが洗浄の必要性を感じさせるものだった。
冷蔵庫のコーナーでは、真空チルド室に3日間入れた食材がラップなしでも鮮度が長持ちしているのを見せた。同様に冷蔵室に入れていた食材は乾燥し黒く変色しており比較してみるとその差は歴然だった。
洗濯機のコーナーでは、12kg洗えるその量の多さをかごに入れた洗濯物で実感させた。また、時速約300kmの高速風を吹きかけ乾燥する「風アイロン」=「皺になりにくい機能」を非搭載洗濯機で洗った衣類と比較展示して見せた。さらに驚くことにドラム内に手を入れその風のパワーを実際に体験することも出来た。
これらを、CMの櫻井翔さんと同じ衣装を着た説明員がひとり一人丁寧に解説し、多くの人が見学・体験をした。展示してある製品を実際に動かし、それぞれの機能の成果を比較して見せる方法はリアルな実証広告と言えるものだろう。
女性参加者の一人は「イケメン説明員との1対1体験は楽しかった。嵐のポスター写真を撮るだけでなく、あれなら女性も集まると思う」とのこと。説明員たちによると、解説の後パンフレットを持っていく人が多く、最後に価格を良く聞かれたとのことだ。ここでは販売はできないが、まるで店頭で接客をしているかのようになっていたのが印象的だった。
実際に洗った服をOOH広告として比較展示
家電製品の実証広告はそれ以前にも行われている。2017年6月12日から1週間、パナソニックは京王電鉄とJRの新宿駅で「実証泡洗浄」としたOOH広告を実施した。ここでは、皮脂、黄ばみ、ケチャップ、コーヒー、泥んこ、絵の具、ファンデーションなど落ちにくくて手ごわい汚れの付いた服と、泡洗浄機能のある洗濯機で実際に洗った服とを比較して見せた。汚れた服は写真だったが、洗った後のものは本物を展示したのである。驚くほどきれいになっていたが、「汚れつけ置きコース」や「約40℃おまかせコース」で洗浄など、汚れに応じた最適な洗浄コースがあることも訴求していた。
このように、リアルな実証広告で製品の機能的価値を訴求できるのもOOHメディアのメリットだろう。参考にしてみてはいかがだろうか。
※このコラムは「宣伝会議」2018年2月号からの転載です。