Our Topicsデジタルサイネージアワード2020が決定受賞作からDOOHのトレンドを見る

グランプリは大阪メトロ
ギネス世界記録のサイネージが受賞

2020年11月11日「デジタルサイネージアワード2020」の結果発表が行われた。このアワードは、一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアムが、デジタルサイネージ作品の中から、優秀な作品を選出・表彰することで、サイネージ市場のさらなる活性化を目指すというものだ。広告運用された受賞作からいくつか紹介する。
グランプリはOsaka Metroの「Umeda Metro Vision」が受賞。高さ約4m、左右約40mの「地下におけるLEDスクリーン最大ディスプレー(159.89㎡)」としてギネス世界記録に公式認定されたものだ。審査員は「圧倒的なインパクトは何者にも代えがたい」「業界のプレゼンス向上に寄与している」と絶賛した。
また、東京地区最大級のデジタルサイネージである東急エージェンシーの「田園都市線渋谷ビッグサイネージプレミアム」も優秀賞を受賞。「蹴られても頑丈
なCOB1.9㎜のLEDを使用しており、駅構内では初の設置事例だ。アテンション・没入感ともに、高く評価でき、業界全体のベンチマークとなった記念すべき作品」と評された。
さらに「渋谷スクランブルスクエアビジョン」、小田急エージェンシーの「新宿駅デジタルウォール」など2019年に相次いで新設されたLEDを使用している大型のサイネージが揃って受賞した。

テクノロジー×サイネージの活用
初の電車内ダイナミックDOOH

ビズライト・テクノロジーが媒体運営する埼玉高速鉄道の「ダイナミックビークルスクリーン」は、先端的なデジタルテクノロジーを搭載した初の電車内サイネージとして高評価だった。カメラを使ったローカルセンシングの処理を、エッジAIで出来る機能を搭載。impression計測やダイナミック配信などが可能だ。その機能を実際に使ったのがオリコムの「サッポロビールが行った世界初の電車内ダイナミックDOOH展開 属性別素材放映」。リアルタイムにサイネージの前にいる乗客の年齢や性別をターゲティングし、最適な広告素材を出し分けたものだ。この事例に対して審査員からは「実施した立場から言及した評価や課題は、サイネージとテクノロジーをどう生かすかということで参考になる」などの声が上がった。

コロナ禍の社会に寄り添うメッセージ
サイネージをブルーにライトアップ

大広の「久光製薬渋谷スクランブル交差点前LEDビジョン看板」は、2020年5月から医療従事者などにエールを送る「LIGHT BLUEキャンペーン」の一環として「ブルーライトアップ」を実施している。コロナ禍の社会環境に寄り添い、エッセンシャルワーカーを応援するというソーシャルグッドな姿勢が評価された。
以上、簡単にデジタルサイネージアワードの受賞作を紹介したが、高性能のLEDを使ったサイネージ媒体の大型化、新たなフェーズに進んだダイナミックDOOH、コロナ禍での展開など、DOOHのトレンドを見ることができる。全ての入賞作品の詳細はデジタルサイネージコンソーシアムのWebサイトにアップしてある。ぜひ参考にしてほしい。

※このコラムは「宣伝会議」2021年1月号からの転載です。