Our Topics「ちょっといい」がちょうどいい。イマドキ生活者の身だしなみ意識

オリコムでは、生活者の微妙な気分や価値観の変化を捉え、今後のコミュニケーション戦略立案に生かす取り組みとして「シルホド!生活者探求プログラム」をご用意しております。
現在、ヘアケア商材をお取り扱いのお客様と一緒にこちらのプログラムに取り組んでいます。
その中で、「生活者はどんなマインドで今を過ごしているのか」「身だしなみに対してどんな意識を持っているのか」を探るべく、好みも世代もバラバラな20~50代の男女6名にインタビューを行いました。
今回、そのインタビューから見えてきたことの一部を、皆様にもご紹介させていただきます!
無理はしないけど、やれることはやろうというマインド
インタビューでは、みなさんに普段のヘアケアやスキンケア、メイクなどの身だしなみについて、実際にどんなことをされているのか、どういったお考えかをお伺いしました。
実際の発言をいくつかご紹介します。
高い化粧品使うわけではなく、最低限のメイクだけ。ちょっとでも若く見られたい。何も気使ってなくてだらしないと思われたくない。いかにも疲れ切っている感じは出したくない。(50代・女性)
髪のことって意外と自分ではわからない。後ろから写真を撮った時に「あれ?」となった。「やれることやっといた方がいいわよ」と妻に言われ、ふろ上がりに(育毛剤を)ピュピュっとしています。(50代・男性)
整形したりとかシミ消したりとかは全然興味ない。ただ、自然にできることはやりたいなとは思っています。(30代・女性)
みなさん「オシャレとかは気にしない」というような発言をされていましたが、「身だしなみに気を使っていないとは思われたくない」という意識は根底にあるようでした。
ただ、そのために無理したり、頑張りすぎるほどでなく、「日常生活の中で自然とできることくらいはやっておこう。」というマインドで過ごしているようです。
欲しいのは「ちょっといい」状態
身だしなみは無理したり、頑張りすぎないとはいいつつも、熱中する「何か」がそれぞれの方にあるのも印象的でした。
週2でピラティスに通っています。時間があれば毎日でもやりたい。
今までできなかったことができ、進歩する感じがする。先生のポジティブなマインドセットが良いです。(20代・女性)
熱を込めるところと、それなりでよいと考えるところのバランス、メリハリをつけて、日々を過ごしている様子が窺えます。
そのほかにも「将来どうありたいか?」というお話では、以下のような発言も見られました。
良くも悪くも目立ちたくない。平均以上でいたい。(20代・男性)
趣味を持って、元気にはしゃいで過ごしたい。毎日友人や誰かしらと、近所の公園でおにぎりとか食べながらおしゃべりするような生活がしたい。(50代・女性)
これらの発言からは、「すごくいい」生活を送りたいというより、もっと身近な「ちょっといい」が続けられれば満足というな感覚がありそうです。
データで見ても、今の生活に「満足」という感覚を持っている人は全体の7割弱であり、ここ20年で微増傾向にあるというデータもあります。

イマドキの生活者は「ちょっといい」が、ちょうどいいのかもしれません。
身だしなみ意識に性別や年齢の隔たりがなくなってきている
今回の生活者インタビューからは、好きなことには拘りをもちながらも、身だしなみや日常のルーティン的な行為においては、頑張りすぎたり、無理なことまではしたいと考えていない実態が見えてきました。
ただ、将来のために、できることは今からでもやっておこうという意識はあるようです。
その背景には今も将来も「ちょっといい」状態でありたいという気持ちがありました。
そして、その意識は、男女、年齢に問わず、共通するものであるようです。
男性がスキンケアや美容に意識を使うのも、エイジングケア商品に20代から関心を持つのも、その人にとっての将来の「ちょっといい」のための行為なのだと考えれば、ごく自然なことだといえます。
実際、今回のインタビューでは、あるヘアオイルブランドを使用しているという方が男女ともにいらっしゃったり、夫婦で同じスキンケア・ヘアケア商品を使っているというような話も出てきていました
また、マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが2024年8月に実施した調査によると、男性の6割の方がスキンケアしていて、始めた時期に違いはあれど、年齢による差は大きく見られないということもわかっています。

今後は、もしかすると「男性用」化粧品などといったカテゴライズもどんどん失われていくのかもしれません。
【調査概要】生活者の身だしなみ意識
調査期間 : 2024年11月
調査方法 : オンラインインタビュー
調査対象 : 日本国内在住 日頃トイレタリー商品を自身で選択・購入している20~50代男女6名
文:シルホド!note編集担当 友田
※この記事はオリコム公式noteからの転載です
生活者探求ラボ シルホド!
生活者のニーズの変化を捉え、クライアントの課題解決につなげるシルホド!。生活者観察を通じて「人々の暮らしがどう変化していくか」を見定め、生活者自身も気づいていないニーズを掘り起こし、ソリューション開発まで並走します。